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シベリウス 交響曲第5番

CDDVDYoutubeスコア・楽譜書籍、その他

シベリウスの交響曲第5番は、シベリウスのもっとも完成度の高いシンフォニーといえます。
シベリウスの交響曲は7番までありますが、6番、7番もすばらしい曲ですが、内向的になりすぎている印象があり、曲自体もかなり短くなっています。5番は作曲家としてピークの時期に書かれたといえるでしょう。晩年はうつ病になり、作曲自体もしなくなってしまったとのことです。
曲は3楽章構成です。
シベリウスは表面的には北欧の自然を曲にしたようなイメージがありますが、後期の交響曲はかなり人間の深層をえぐるかのようなシリアスな音楽となっています。しかし、基本的には聴きやすくニールセンのように現代音楽的な技法が目立つことはありません。
第1楽章は静かに始まり、ホルンのメロディが印象的です。北欧の情景が目にうかぶようです。第2楽章は弦のピチカートなどが印象的で、さらに深遠な世界を描いていきます。第3楽章はアレグロでシンプルで非常に透明感の高い音楽です。シベリウスの練達の筆の音楽といえます。

サロネンの演奏(YouTube)。しなやかな中にも意思の強さが感じられる演奏です。
これは第1楽章の後半ですが、スケルツォの第3楽章も聴き応えのある曲です。

CD試聴・レビュー

シベリウスの交響曲は2番が一番有名で、ついで1番あたりが人気がありますが、5番は割りと通好みかも知れません。しかし、沢山のCDが出ています。

指揮:パーヴォ・ベルグルンド、ヨーロッパ室内管弦楽団
シベリウス:交響曲全集:ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
シベリウス:交響曲第5番&第7番:ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
お奨め度:
ベルグルンドは定番中の定番です。
ベルグルンドはボーンマス交響楽団、ヘルシンキフィルハーモニー、ヨーロッパ室内管弦楽団と全部で3つの全集があります。このうち、ヘルシンキの演奏と、ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏は、どちらも良い面があり、お薦めです。
ヨーロッパ室内管弦楽団とのものはオケの上手さが光ります。基本的に小編成であるため明晰なアンサンブルであることが特徴で、クールでシャープなサウンドです。そういう意味では5番はヨーロッパ室内管弦楽団とのものがもっとも良いかも知れません。
ベルグルンドを聴いてしまうと他の演奏を買う気が起きなくなるくらい素晴らしいです。

指揮:パーヴォ・ベルグルンド、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
シベリウス交響曲全集:ベルグルンド指揮ヘルシンキフィルハーモニー
Sibelius: Symphonies Nos. 5-7; The Oceanides; Finlandia; Tapiola 
お奨め度:

ヘルシンキの演奏と、ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏は、どちらも良い面があり、お薦めです。
ヘルシンキ・フィルハーモニーはシベリウスの作品を多く初演してきたシベリウスオーケストラとも言える楽団です。オケのサウンドに温かみがあり、さすが地元のオケらしい、シベリウスにぴったりのサウンドとなっています。
味わいという点では、ヨーロッパ室内管弦楽団のディスクを上回ると思います。

シベリウス:交響曲第5番、第6番&第7番:コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団
シベリウス:交響曲第5番&第7番:コリン・デイヴィス指揮ボストン交響楽団
お奨め度:
コリン・デイヴィスは実力派の指揮者ですが、CDとなるとあまりお目にかかりませんね。
でもたまに目にすると素晴らしい演奏が多いです。
基本的に理知的ですが、盛り上がるところはかなりシャープに盛り上がります。
ボストンとの演奏もあります。こちらはユニークな演奏といえるようですが、中身のしっかりした演奏です。

指揮:ヴァンスカ、ラハティ交響楽団
シベリウス交響曲全集:ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団
お奨め度:
ヴァンスカの演奏は評価のわかれるところですが、彼がシベリウス指揮者であることには変わりありません。
オケのラハティ交響楽団は技術レベルは一流とは言えません。
だから、この全集の評価もかなり割れています。
しかし、唯一5番の原典版を含むこのCDを無視するわけにはいきません。
5番は原典版と通常版の2つが収録されています。
もっともシベリウスは5番は最終稿を除いて、焼却してしまったとかで、作曲者本人としては原典版はあまり聴かれたくなかったんじゃないでしょうか?
ベルグルンドも特に原典版を演奏しているわけでもないですし。。
実際聴いてみると、確かに中途半端な感覚があり、現在の洗練された5番とは似ても似つかないものがあります。こういう形で完成度を上げる改訂であれば問題なく、あえて今復刻する必要もない感じです。
ブルックナーのようにオーケストラから文句が出てやむを得ず行った改定とは違いますからね。
でも1つこういうCDが出たことによって、それが確認できたというのも重要なことではあります。

指揮:サイモン・ラトル、バーミンガム市交響楽団
お奨め度:
Sibelius: Symphony No. 5; Nielsen: Symphony No. 4:ラトル指揮バーミンガム市交響楽団
ラトルの演奏は、ベルグルンドとは別の意味で、シャープでクールなものです。ただラトルはユニークすぎるところもあって、それほどシベリウスが得意といえるのか、ちょっと微妙なところではあります。平均的な演奏よりも素晴らしいのは事実です。
またこのCDの場合、ニールセンの4番が入っているところが面白いです。ニールセンのほうが向いているんじゃないかと思うんですけど、どうなんでしょう?ラトルはニールセンの全集はまだ録音していないみたいですね。。

指揮:ジェームズ・レヴァイン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
シベリウス:交響曲第2番&第5 
お奨め度:
全体的にシベリウス的というか北欧的な情緒の感じられない演奏です。
サウンドが華麗で、さすがベルリンフィルという技術の高さが感じられます。
きちんと収まるところには収まっており、悪い演奏ではなく、新鮮味があり、楽しめる演奏です。
レガートが鼻に付くところもあるし、第3楽章の前半などすごい速さでびっくりします。

映像

BSフジ
指揮:パーヴォ・ベルグルンド、日本フィルハーモニー
お奨め度:
最近のBSフジで録画されたものをチェックしていたら、引っかかっていまいした。
若きベルグルンドが日フィルを振った5番です。
日フィルは例の文化放送事件(?)でバラバラになる前は、世界で見てもシベリウスを得意とするオーケストラとして、ベルグルンドをはじめ北欧の指揮者がよく来ていたのですね。
こんな映像があったんですね。DVDでは近衛のシベ2も発売されていますが、この映像があるならなんでこっちを発売しないんでしょうね??
ベルグルンド側の許可が下りなかったのか、シベ5は人気が低いからなのか、まあクラシックのDVDを買う人々の中ではシベ5の知名度が低いことはない気がしますが。
で内容ですが、ベルグルンドは左手で指揮棒を持つ独特の指揮振りです。シベ5の1楽章は指揮しにくい音楽ではありますが、それほど器用ではない感じですが、意外と力のこもった指揮振りです。演奏スタイルもこのころには既に確立していたようで、私の愛聴盤であるヨーロッパ室内管弦楽団との演奏とそれほど変わりません。日フィルの演奏は慣れたもので、ただちょっと固定観念でもあるのか、たまに指揮者より早く飛び出ているところもあるんですが、まあ全体としてはいい演奏だと思います。音程も若干わるいかも知れませんが、1971年当時のライヴなのでこんなもんですかね。
と見ていると、2楽章の途中で切れてました。。肝心の3楽章が見れないとは(泣!
うーむ、また放送するだろうか?
ともかく、ぜひDVD化していただきたい映像であります。

フルスコア・楽譜

Dover
Sibelius: Symphony No. 5: In E-Flat Major, Op. 82, in Full Score
フルスコアが出版されています。サイズはA4くらいでしょうか?
厚さもそれほどでもなく、取り扱いやすいです。

Sibelius, Symphony No. 5 (Cambridge Music Handbooks)

書籍・その他

シベリウスについて、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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