「春の祭典」をバレエのDVDで見る

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春の祭典は私が中学の時にはじめて聴いてクラシックに目覚めた曲です。
ただ大学以降はあまり聴かなくなっていたのですが、最近になってバレエを見るようになってまたはまりました。
バレエではまた全然違う魅力のある作品なのです。

「春の祭典」は演奏のほうは十分こなれた感じですが、バレエのほうはまだまだ前衛的なところが残っています。
春の祭典は、他のストラヴィンスキーの「火の鳥」「ペトルーシュカ」と違い、初演時のニジンスキーの振り付けが正確には残っていないようです。
なので、春の祭典のバレエのDVDを探してもなかなか見つかりません。

ニジンスキーの振り付けはホドソンが割りと最近になって復刻し、たまに上演されるようになりました。 現在のバレエ上演はほとんど他の振付家によるものです。有名なのはピナ・バウシュ、ペジャールなどですが、他にも沢山あります。ほとんどは現代バレエ的な振り付けで、筋書き自体が少しづつ異なります。もっとも春の祭典の場合、それほど明確な筋書きはないのですが。。
また春の祭典は音楽だけ聴いているとそういう風には聞こえないのですが、バレエになると暴力に加えエロティシズムをテーマとした作品に一変します。倫理的にもかなり衝撃的だったんでしょうね。
最初の振り付けがニジンスキーという時点でそうなったのかも知れませんが、ペジャールとかピナバウシュとかその辺りをかなり大きなテーマとしているように思います。
ニジンスキー版は最近の振り付けに比べればかなり素朴といえますが、直裁的な表現ではない分、好感が持てます。
振り付けのオリジナリティはやはり個性的でニジンスキーはやはり革命的な振付師だったのだなと思います。

春の祭典の現代的な振り付けのものは”大人のバレエ”といえる位、直裁的な表現が多いです。
DVDではペジャールは抜粋のみ、ピナ・バウシュは発売されていませんが、ショルツの振り付けのものがDVDで全曲版が発売されています。
異教徒というテーマは影を潜め、男女の関係をメインテーマとしたものが多くなります。 オリジナルは女性がメインですが、現代バレエでは男性の役割が重視されて、男女がそれぞれ対比されて表現されているものが多いです。
ペジャールなんかは、実際にゲ○だったみたいですけど、男女対等になっていて、いけにえは男女のペアとなっています。
その中でモスクワクラシカルバレエのDVDはある意味邪道ではありますが、異教徒の雰囲気が良く出ていて面白いです。
現代版の振り付けは男性も女性も肉体美を表現しており、春の祭典はそういった性格も持っている音楽なのですね。

また、現代版春の祭典は、素朴なニジンスキー版と異なり、照明が非常に美しいのも特徴です。
ペジャールやショルツなどは、大変効果的に照明を使っており、幻想的な雰囲気をよく表現しています。
ニジンスキー版を見ると、振り付けそのものはユニークで面白いのですが、どうも迫力に欠けるのは照明のせいだと思います。

また現代バレエ版春の祭典では日本人の活躍が目立ちます。
他の演目に比べて日本人ダンサーの起用が多いです。ショルツの生贄は日本人です。
まだ群舞が多いため、日本のバレエ団にも向いているようです。
現在ペジャール版春の祭典の舞台は東京バレエ団でしか見ることが出来ません。




DVD名盤・レビュー


Le Sacre Du Printemps (Ws Dol) [DVD] [Import]
Euroarts
アマゾンでの評価

ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
ライプツィヒ・バレエ

DVDで春の祭典全曲版です。
振り付けはショルツです。かなり現代的な舞台です。
振り付けが異なる全曲の舞台が2種類入っています。
1つは2台のピアノ版による演奏、もうひとつはオーケストラ版による演奏です。
ご想像のとおり、モダンバレエ版春の祭典の典型のような映像です。
素朴なニジンスキー版春の祭典とは全く異なります。
ペジャール版とピナバウシュ版を足して2で割ったような感じです。
異教徒的な衣装で前半は群舞中心です。春の祭典のCDのジャケットでよく見かけるような色彩的な照明を使ったシーンが多く出てきて、「なるほどこんな感じなのか」と納得します。
後半は生贄をささげるストーリはそのままで、最後の生贄のソロはなかなか凄いです。
なお、生贄役は日本人の木村規予香ですし、他にも日本人と思われるダンサーが多いです。
映像は現代バレエとしてはまあまあだと思います。



Sacre Printemps / Der Feuervogel & Miraculous [DVD] [Import]
Videoland
アマゾンでの評価

ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
モスクワクラシカルバレエ

こちらもDVDで春の祭典全曲版です。
悪名高い映像品質ですが、ショルツ版が出るまでは、唯一の春の祭典バレエ全曲版DVDとして君臨してました。
振り付けはB級ですが、選曲は「中国の不思議な役人」も入っていて、驚きだしダンサーは結構ハイレヴェルで、なかなかインパクトのあるDVDです。
B級とはいえ現代バレエと違って分かりやすい振り付けと衣装で案外楽しめます。
現代版の振り付けはある意味難解なところもあるので、バレエ「春の祭典」の入門編としては面白い知れません。
旧ソ連のプロパガンダを彷彿とさせるストーリの改変もある意味面白いです。



Grand Pas in the White Night [DVD] [Import]
Immortal
アマゾンでの評価

ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
ペジャール版

バレエ界の巨匠ペジャールですが、春の祭典のDVDのほうは抜粋でしかもほんとに一部分です。
しかも21世紀バレエ団は既になく、現在ではペジャール版春の祭典は唯一東京バレエ団のみが上演をゆるされているそうです(!)。日本のバレエ団ってレベル高いんですね。で、東京バレエ団の演目を見るに、春の祭典はあまり高い頻度でやっているわけでも無いようです。なのでなかなか見る機会はないかも知れないですね。
私は東京バレエ団のペジャール版春の祭典の舞台を見たことがあります。数年に1回くらいは上演されるようです。
まさに現代バレエの代表といえる舞台で、怪しい照明の効果は抜群です。
いけにえは、男女二人です。衣装もいたってシンプルです。



BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界 [DVD]
角川大映映画/ジェネオン エンタテインメント
アマゾンでの評価

ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
アメリカンバレエシアター

これも割りとシンプルで現代的な振り付けに入る気がします。
春の祭典は一部のみの収録ですが、割と長い時間入っているので、そこそこ楽しめます。
赤系を中心とした照明が割りと鮮やかです。
単に舞台の映像が入っているだけではなく、ドキュメンタリーになっていて、バレエの舞台裏も良く分かるDVDですね。
あと電話のおばちゃんが笑えます。


ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
ラトル指揮ベルリンフィル&子供たち

ベルリンフィル&子供たちはバレエではなくドキュメンタリーです。
そういう意味では、春の祭典を見てみたい人にはあまりお奨めできないかも知れません。
でも良く売っているのを見かけるので気になるし、一応見てみました。
ドキュメンタリーとしては良く出来ています。
不良の子供たちがダンスに目標を見つけて徐々に舞台に向けて結束していく、という内容です。
踊るのが複雑なリズムを持つ春の祭典なのですから、チャレンジしがいのある目標ですね。
普通の子供たちなので、振り付けなどはオリジナルで、「バレエ」ではなくて「ダンス」です。


ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
ピナ・バウシュ

女流振付家ピナ・バウシュは春の祭典の舞台の中でも最も有名で人気があるのではないでしょうか?
舞台一面に数センチの土を敷きつめその上で踊ります。
DVDはありません。ただ2006年8月にNHKでピナバウシュの特集があったときに一部放送されました。
現代バレエの中では古典的な作品であり、ショルツやペジャールと比べるとかなり理解しやすいです。
意外とシンプルな衣装ですが、振り付けは力強いものです。
衣装は上半身スケスケです。男性も女性も。。
割と頻繁に来日しているので実演に接することもできるでしょう。今度来日したら見に行こうと思ってます。 ってか、ピナバウシュとかそろそろDVD化しないんですかね?


ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」
ニジンスキー版


初演の振り付けはニジンスキーでした。
ニジンスキー版は、映像として残らなかったため、長い間失われた状態になっていたようです。
ホドソンがこれを復刻したものが現在まれに上演されます。
オリジナルは意外と素朴なものだったようです。
この前、兵庫で公演されたらしいニジンスキー復刻版も是非DVDで発売して欲しいです。
ちなみにYouTubeではニジンスキー復刻版と思われる映像が見れます。
どこまで正確なのかはよく分かりませんが、なるほど不思議な振り付けです。
ニジンスキーの春の祭典は、現代バレエの出発点となった作品と言われていますが、確かに当時としては革新的だったと思いますが、ペジャールなどとはぜんぜん違います。









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